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ユース年代の大会改革 [Soccer]

日本サッカー協会(JFA)では、2006年から2・3種リーグ改革プロジェクトで中学・高校年代の育成・強化に取り組んできた。06年7月のJFA理事会資料によれば、目的は、「レベルの拮抗した・長期間を通じて行われる定期的な、2・3種年代のリーグ戦を整備し、リーグ戦文化の定着を目指す」とあり、07、08年度に試行、09年度に完全実施のスケジュールになっていた。

具体的な成果は、たく丸の住む東京で考えれば、次のようになるだろう。
  • 中学年代
    U-15は、関東リーグ、全都リーグ、地域リーグのピラミッド
    U-14、U-13はJリーグU-14、U-13
  • 高校年代
    プリンスリーグU-18関東1部・2部、TリーグT1、T2、T3、地区トップリーグのピラミッド
これでひとまず完了と思っていたのだが、そうでもないらしい。それを知った発端は、今年1月の日刊スポーツの次の記事だ。
犬飼会長が高校サッカー改革ぶち上げ [2009年1月23日7時23分 紙面から]

日本協会の犬飼基昭会長(66)が22日、高校サッカー改革をぶち上げた。東京・文京区のJFAハウスで行われたNACK5「FUN! FUN! SOCCER!!」(毎週土曜午前6~7時)の収録で、高校選手権について触れ「高校はJクラブのユースチームに比べて力が落ちる」と話した。同選手権の盛り上がりは評価しながらも「レベルには問題がある」とした。

収録後には「高校とユースをどう融合させるか、そこがサッカー界の課題」と話し、すでに日本協会の理事会でも高校サッカー改革が話題になっていることを明かした。高校とクラブユースともに出場できる全日本ユースの地位向上、さらに「選手権の前あたりに、高校とクラブユースがリーグ戦方式で対戦できる場を設けたい」とも話した。
インパクトのある見出しに対してテキストでは改革の具体的な内容には触れておらず、不満の残る記事だったが、9月3日にスポーツナビに掲載された流通経済大学付属柏高校・本田裕一郎監督へのインタビュー記事で改革内容が明らかになった。
ユース年代の大会改革案に物申す (抜粋)

同大会(高円宮杯)は今、大きく変わろうとしている。日本サッカー協会は、1回戦総当たり制になっているプリンスリーグを2011年度からホーム&アウエー方式(2回戦制)に変更。これに伴って、高円宮杯を冬開催に移行する方向で検討を進めているという。
JFA(日本サッカー協会)ユースダイレクターの布啓一郎氏は「リーグ戦の試合数を増やすことで、よりタフで優れた選手を育成できる」とその趣旨を説明する。このプリンスリーグ・高円宮杯改革は、年内の理事会で承認される運びのようだ。
うーむ。そうなっていたのか。確かに07年3月のJFA理事会資料では、高円宮杯の課題として「大会方式及び規模と時期の検討」が上がっていて、今後の方針は「プリンスリーグにホーム&アウエー方式が取り入れられる年間計画の作成」となっていた。その解答が出たというわけだ。

インタビュー記事で本田氏は、高円宮杯が2種で最高の大会であること、育成にはリーグ戦が効果的であることには同意しながらも、この改革に次のような疑問を投げかけている。
  • 高円宮杯が選手権より後に開催されれば、大学を一般受験する選手は出場できない
  • 高円宮杯がユース年代最後の大会になり、最大の目標となれば、選手権が廃れかねない
二番目の指摘は少し分かりにくいが、選手権をないがしろにしないで欲しいという主張だと受け取った。先の犬飼氏の発言を直球で受け取れば、本田氏の心配もむべなるかなといったところだ。記事に登場する布氏も市立船橋の監督時代に、プリンスリーグ参入による公式戦増を問題視していたくらいだから、それに対するソリューションはあるのだろうが、記事に書かれていないので心配を助長する。

おやじは、高円宮杯を頂点としたリーグ戦をユース年代の中心にすえるという考え方には賛成だし、それに向けたこれまでの取り組みも評価できると考えている。高円宮杯・プリンスリーグの改革案についても、方向は正しいと思う。ただ、現時点では選手権があるからという理由で、クラブではなく高校を選択した選手もいるだろう。11年度というのは今の高校1年生が3年生になる年だ。11年度に実施するのであれば、彼らや、現中学3年生の改革期の選手達にとっても納得できる改革であって欲しいと思うのだ。


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