学習曲線 [Soccer]
勉強やトレーニングの効果は、常にやった量に比例して得られるものではなく、時に停滞し、時に爆発的に伸びるといった形で現れる。これをモデル化したものが学習曲線で、3つのタイプに分類されている。
- 正の加速曲線
- 学習を開始してからしばらくの間は目立った効果は出ないが、続けていると急激に伸びて行くパターン。
- 負の加速曲線
- 学習開始直後から量に比例して効果が得られるが、やがて量に見合った効果が得られなくなるパターン。
- S字型曲線
- 1番目と2番目を組み合わせたもの。学習を始めてコツを掴むまでは効果が出ないが、その後急激に伸びて、やがて停滞期を迎えるパターン。
ジュニアユースの世代はゴールデンエイジからポストゴールデンエイジに差し掛かる頃で、急激な成長から停滞期を迎えるあたりになるだろう。上のグラフで見ると、2番目の負の加速曲線が当てはまると思う。小学生の頃からガンガン練習して来たJ下部の選手などは早めに高原状態になるだろうし、それに比べ小学生の頃は楽しくのびのびやって、中学生から本格的に練習を始めた選手は伸びしろがある分、高原状態に入るまでに時間がかかる。このため、J下部などのトップチームが早めに停滞期を迎えるのに対し、これを追うチームは遅れて停滞期を迎えることになる。だから、1年の頃には手も足も出なかった相手に対し、3年になるといい試合ができるようになったり、時には勝ったりできるようになるのは、自分達が特に頑張ったということではなく、同じように練習していれば必然的にそうなるのだと思う。
ただし同じように練習する限り、技量は接近するだけで逆転できるわけではない。目標とする相手は一歩先を行ってるのだ。では、どうすれば追いつき、追い越すことができるだろうか。グラフはいずれも単調増加なので、技量で上回るためには練習量で上回るしかないと教えるが、限られた時間の中では、練習時間で凌駕するのは難しい。このため、練習の質を高める必要がある。
質の高い練習には、それに取り組む個人の意識が重要だ。試合で自分にできた・できなかったことは何で、それはどうやったら伸ばせる・できるようになるのか。その練習はなんの役に立つのか。限られた練習時間を有効に使うためには何をすればよいのか。一言で言えば問題意識を持って練習に取り組めということで、もちろん言われたことを黙々とこなすだけでも上達はするのだが、それがあるとないのでは効果の出方がずいぶん違うのだよ。