H1N1 [etc.]
訳あってオーストラリアの新型インフルエンザの感染状況を調べてみた。
上のグラフで、棒グラフが日ごとの感染者数、折れ線が累積だ。数字は、オーストラリアの保健・高齢化省のHPに掲載されている公表数を拾った。以下は同HPのニュースをまとめたものだ。
4/28 | パンデミック・フェーズを「ALERT」から「DELAY」に引き上げ |
5/9 | オーストラリアで初の感染者 |
5/22 | 警戒レベルを「CONTAIN」に引き上げ |
5/22 | 日本からの帰国者に7日間の自宅待機を勧告 |
6/17 | 警戒レベルを「PROTECT」に引き上げ |
6/19 | 初の死亡を確認(26歳男性) |
日別の感染者数を見ると、公表の時間がまちまちであることや、土日に少なく、月曜に多いという病院の事情による凸凹はあるが、6/17の「PROTECT」フェーズ以降で見ると、一日平均160名の感染が続いており、6/29に感染者数は4,000名を超えた。7/1時点で、累計は4,370人、死亡は7件となっている。同じころに感染が報告された日本の感染者数は1211名(6/29)で、日々の発生件数は落ち着いているように見える。日本に比べると国土は広いが、人口は日本の1/6、東京と神奈川を合わせたくらいの国で、このような拡がり方をしていることは、オーストラリアの状況が深刻なものであることをうかがわせる。
日本とオーストラリアの違いは、対策の違いもあるのかもしれないが、日本が初夏、オーストラリアが晩秋であるという季節の要因もあるのではないか。さらにベルギーでタミフル耐性を持つ検体が発見されたことや、インドネシアでもH1N1が発生したことで、強毒化が懸念されることを思えば、今年秋からの第2波が心配になってくる。第2波は、第1波程度の影響では済まないことを覚悟しておく必要があるのかもしれない。第2波の到来まで数か月の猶予がある。国や厚労省の危機管理に注目だ。