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'09 高円宮杯(U-18)1次ラウンド 養和×広島、東京×静学 [Soccer]

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ユースの高円宮杯は、今日が1次ラウンドの最終日。1次ラウンドは24チームを6グループに分け、4チームでリーグ戦を戦う。リーグ2位までと、3位から4チームが決勝トーナメントに進む。先週、財布を忘れて見ることができなかったおやじは今日、西が丘まで自転車で見に行った。しっかり財布を確認してね。天気はうす曇りで、暑くもなく寒くもなく、観戦には絶好の一日だった。

第一試合は、グループAの三菱養和とサンフレッチェ広島の対戦だ。対戦前の状況は、広島が2勝で1位、養和が1勝1分で2位だった。広島は今日負けても2位、養和は勝てば1位、負けると3位もありうる状況だ。試合前半は養和が支配。広島は養和のポゼッションを崩すことができず、2-0養和リードで折り返した。後半立ち上がりから広島が前に人数をかけて攻撃を仕掛けてきたが、ボールがうまくつながらない。逆に養和は、薄くなった広島ディフェンスをスピードや個人技で抜きにかかった。これを広島は、ファールでしか止めることができなくなり、養和が立て続けに3点を奪って勝負を決めた。

第二試合は、グループF、FC東京と静岡学園の試合だ。FC東京は1勝1敗で2位、静岡学園は2敗で4位で、ともに勝つしかない状況だった。試合は5-1でFC東京が勝ったのだが、それにしても今年のFC東京は強い。特に今日は左サイドバックが素晴らしく、そのプレーに会場は何度もどよめいた。静岡学園FWの9番とFC東京CBの6番のマッチアップも迫力があったな。今日の結果、グループFは3チームが2勝1敗で並び、得失点差でFC東京が1位となった。FC東京を破ったレッズは3位になったが、決勝Tに進むことができた(2勝だもんね)。

西が丘までは10km程、自転車で40分程だ。行きと帰りでルートを変えてみた。
 

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ユース年代の大会改革 [Soccer]

日本サッカー協会(JFA)では、2006年から2・3種リーグ改革プロジェクトで中学・高校年代の育成・強化に取り組んできた。06年7月のJFA理事会資料によれば、目的は、「レベルの拮抗した・長期間を通じて行われる定期的な、2・3種年代のリーグ戦を整備し、リーグ戦文化の定着を目指す」とあり、07、08年度に試行、09年度に完全実施のスケジュールになっていた。

具体的な成果は、たく丸の住む東京で考えれば、次のようになるだろう。
  • 中学年代
    U-15は、関東リーグ、全都リーグ、地域リーグのピラミッド
    U-14、U-13はJリーグU-14、U-13
  • 高校年代
    プリンスリーグU-18関東1部・2部、TリーグT1、T2、T3、地区トップリーグのピラミッド
これでひとまず完了と思っていたのだが、そうでもないらしい。それを知った発端は、今年1月の日刊スポーツの次の記事だ。
犬飼会長が高校サッカー改革ぶち上げ [2009年1月23日7時23分 紙面から]

日本協会の犬飼基昭会長(66)が22日、高校サッカー改革をぶち上げた。東京・文京区のJFAハウスで行われたNACK5「FUN! FUN! SOCCER!!」(毎週土曜午前6~7時)の収録で、高校選手権について触れ「高校はJクラブのユースチームに比べて力が落ちる」と話した。同選手権の盛り上がりは評価しながらも「レベルには問題がある」とした。

収録後には「高校とユースをどう融合させるか、そこがサッカー界の課題」と話し、すでに日本協会の理事会でも高校サッカー改革が話題になっていることを明かした。高校とクラブユースともに出場できる全日本ユースの地位向上、さらに「選手権の前あたりに、高校とクラブユースがリーグ戦方式で対戦できる場を設けたい」とも話した。
インパクトのある見出しに対してテキストでは改革の具体的な内容には触れておらず、不満の残る記事だったが、9月3日にスポーツナビに掲載された流通経済大学付属柏高校・本田裕一郎監督へのインタビュー記事で改革内容が明らかになった。
ユース年代の大会改革案に物申す (抜粋)

同大会(高円宮杯)は今、大きく変わろうとしている。日本サッカー協会は、1回戦総当たり制になっているプリンスリーグを2011年度からホーム&アウエー方式(2回戦制)に変更。これに伴って、高円宮杯を冬開催に移行する方向で検討を進めているという。
JFA(日本サッカー協会)ユースダイレクターの布啓一郎氏は「リーグ戦の試合数を増やすことで、よりタフで優れた選手を育成できる」とその趣旨を説明する。このプリンスリーグ・高円宮杯改革は、年内の理事会で承認される運びのようだ。
うーむ。そうなっていたのか。確かに07年3月のJFA理事会資料では、高円宮杯の課題として「大会方式及び規模と時期の検討」が上がっていて、今後の方針は「プリンスリーグにホーム&アウエー方式が取り入れられる年間計画の作成」となっていた。その解答が出たというわけだ。

インタビュー記事で本田氏は、高円宮杯が2種で最高の大会であること、育成にはリーグ戦が効果的であることには同意しながらも、この改革に次のような疑問を投げかけている。
  • 高円宮杯が選手権より後に開催されれば、大学を一般受験する選手は出場できない
  • 高円宮杯がユース年代最後の大会になり、最大の目標となれば、選手権が廃れかねない
二番目の指摘は少し分かりにくいが、選手権をないがしろにしないで欲しいという主張だと受け取った。先の犬飼氏の発言を直球で受け取れば、本田氏の心配もむべなるかなといったところだ。記事に登場する布氏も市立船橋の監督時代に、プリンスリーグ参入による公式戦増を問題視していたくらいだから、それに対するソリューションはあるのだろうが、記事に書かれていないので心配を助長する。

おやじは、高円宮杯を頂点としたリーグ戦をユース年代の中心にすえるという考え方には賛成だし、それに向けたこれまでの取り組みも評価できると考えている。高円宮杯・プリンスリーグの改革案についても、方向は正しいと思う。ただ、現時点では選手権があるからという理由で、クラブではなく高校を選択した選手もいるだろう。11年度というのは今の高校1年生が3年生になる年だ。11年度に実施するのであれば、彼らや、現中学3年生の改革期の選手達にとっても納得できる改革であって欲しいと思うのだ。


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'09 国民体育大会関東ブロック大会 [Soccer]

昨日、今日と国体の関東予選(サッカー少年男子)があった。たく丸の先輩も東京と千葉で選抜されているそうだ。奇しくも今日は、その東京と千葉の対戦で、千葉が1-0で東京を破り本大会出場を決めた。東京は本大会に進むことが出来なかった。

KokutaiKanto.gif

関東予選、正確には「国民体育大会関東ブロック大会」と呼ぶようだが、関東トレセンリーグ U-16の結果を元にトーナメントを組んでいる(トレセンリーグの結果は下表)。上位同士の対戦で、勝てば本大会出場。負けても、下位同士の対戦の勝者との試合に進み、勝ったほうが本大会に出場できる。大会の結果、神奈川・埼玉・千葉・栃木が本大会に進むことになった。

関東 U-16 トレセンリーグ Aグループ
[A] Team A1 A2 A3 A4
GS
GA
GD
P
S
A1 神奈川
3-2

3-1

6-1
12 4 +8 9 1位
A2 群馬 ×
2-3

2-2

3-0
7 5 +2 4 2位
A3 茨城 ×
1-3

2-2

2-1
5 6 -1 4 3位
A4 山梨 ×
1-6
×
0-3
×
1-2
2 11 -9 0 4位

関東 U-16 トレセンリーグ Bグループ
[B] Team B1 B2 B3 B4
GS
GA
GD
P
S
B1 埼玉
4-4

3-1

5-1
12 6 +6 7 1位
B2 千葉
4-4

3-0

3-1
10 5 +5 7 2位
B3 東京 ×
1-3
×
0-3

3-2
4 8 -4 3 3位
B4 栃木 ×
1-5
×
1-3
×
2-3
4 11 -7 0 4位


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'09 クラ選 U-18 準決勝 FC東京-アルビレックス新潟 [Soccer]

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HANとの練習試合が終わった後、たく丸は友人とニッパツ三ツ沢球技場に向かった。目的はクラ選準決勝第2試合のFC東京-アルビレックス新潟戦なのだが、第1試合のセレッソ大阪ー京都サンガ戦が凄いことになっていた。PKにまでもつれた試合は、双方11人ずつ蹴っても決着がつかず、2巡目でようやくセレッソに軍配が上がったのだ。速報結果を見ると、京都にもこれを決めれば勝つという場面が2度あったようだが、決められなかった。

上の写真は19時過ぎにたく丸から届いた写メールだ。第1試合がもつれたため、開始が遅れたらしい。東京と新潟の試合は、2-0で東京。これで2位以内が確定し、クラ選でも高円宮杯の出場権を得た。ということは、プリンスリーグ関東8位のジェフも高円宮杯に行けるということになるのかな。東京は優勝まであと一つ。連覇はなるか。


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'09 クラ選 U-18 グループリーグ FC東京-三菱養和 [Soccer]

J-Village.png

ジュニアユースに先んじて、現在ユース(U-18)のクラ選Jビレッジで開催中だ。ユースのクラ選は、代表24チームを6つのグループに分けて予選リーグを戦い、決勝トーナメントの8枠を決める。8枠は、リーグ1位の6チームと、2位の中から成績上位の2チームだ。グループFには、三菱養和SCユースとFC東京U-18が入っていて、この対戦がとても見たい。という訳で今日、おやじと女房・たく丸の3人で見に行った。たく丸の友人も一緒に行くはずだったが、風邪で断念、残念だ。

昨日までの成績は、養和が2勝でグループ1位、FC東京が1勝1分で2位だった。決勝トーナメントに進むには、養和は引き分け以上、FC東京は勝ちが必要だ。養和にはU-18の日本代表候補になったたく丸の先輩がいて、おやじと女房はその応援。たく丸は、その先輩のお父さん=たく丸の小学校の時のチームの監督に「今日はどっちの応援だ?」と聞かれ、「なんとも言えません」と微妙な回答をしたらしい。人それぞれに事情があるものだ。

試合は、前半風上に立ったFC東京が優位に進める。キーパーの前に落としたフリーキックに走りこんだ選手が合わせて先制すると、続けて左サイドをえぐってシュート。ポストにはじかれたところを詰めていた選手が決めて、追加点を挙げた。前半は2-0の東京リードで折り返した。後半、点を取るしかなくなった養和も前がかりになって攻めるが、どうしてもシュートまで持ち込めない。逆に東京はカウンターからチャンスを作っていた。後半はスコアレスのまま試合は終了した。

たく丸が先輩の試合を見たのは多分これが初めてだろう。「やっぱり、うまいなあ」という。どういう態勢でボールを受けてもボールを失うことがまずない。そこから短いパスも長いパスも自在に操る。自分で行っても良し。全体のバランスを見てポジションを取っているようで、攻撃でも守備でも目立つ存在だ。たく丸は、ピッチから上がってきたこの先輩や、FC東京の選手と二言三言言葉を交わしていた。

Jビレッジには初めて来たが、すごい設備を作ったものだ。東京電力恐るべし。今日の経験でまた、たく丸の全国へのモチベーションがアップしたに違いない。高円宮杯はJビレッジの試合はないけどね。


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プリンスリーグ 最終節 [Soccer]

Prince.png

日曜日はユースのプリンスリーグの最終節を見に、深川に行ってきた。U-15の関東大会の9決も気になったのだが、いかんせん会場が遠い。前橋往復はおやじの脚では厳しいのだ。関東のプリンスリーグは最終戦を残して、FC東京、三菱養和、横浜F・マリノスが勝ち点差1ずつで並んでいた。3チームとも3位以内が決まっていて、秋の高円宮杯への進出が確定している。日曜日の深川のカードは、FC東京と横浜F・マリノスの対戦だ。FC東京は勝てば優勝。マリノスが優勝するには、この試合に勝って、かつ養和が負けるか引き分ける必要があった。

写真の通り、日曜日はピッチの奥が開放されていた。ユースになると観客も多いんだね。試合は、序盤は流れがあっちに行ったり、こっちに来たりといった感じだったが、徐々に東京がペースをつかんでいった。前半はスコアレス。後半はほぼ東京ペースで試合が進み、フリーキックから先制すると、さらに流れから2点を追加して大会連覇を決めた。養和は桐光学園に1-2で敗れたが、マリノスも破れたため、上位の順位に変動はなかった。


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キャプテンマーク [Soccer]

CaptainMark.jpg

昨日の練習で引き継ぎがあったらしい。これで代替わりは完了かな。
ま、とにかくがんばりなはれや ♪


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サッカーダイジェスト [Soccer]

SoccerDigest.jpg 3月24日発売の週刊サッカーダイジェスト 4月7日号の倶楽部訪問のコーナーにチームの紹介記事が掲載された。カラーで3ページ、記事は17字取り40行で6段、なかなかの扱いだね。

取材があったのは3月8日、全都リーグの府ロク戦の後、雑誌の取材があるといってたく丸たちはホームの東伏見に帰っていった。

記事では第1種のWASEDA UNITEDや、第2種のユースチーム設立の構想に言及していた。WASEDA UNITEDは、ワセダクラブの会報で知っていたが、ユースチームの話は初めて知った。というか、WASEDA UNITEDがJリーグを目指すのであれば、当然ユースチームを持つ必要があるので、その時気付いていて然るべきなんだけどね。うかつだった。NPOでJリーグって可能なのかな?なんてことをぼんやり考えてたんだけどね。実現すればワセダクラブで第4種(スクールのみ)から第1種まで一気通貫だ。

雑誌の発売日の夜、たく丸の学校の友人の母から女房に、たく丸が写っているのを見たよとメールがあった。早っ!しかもあの集合写真からよくたく丸を見つけたものだ。写っていることを知っているおやじでさえ、一回見ただけでは分からず、もう一度じっくり見てやっと見つけたというのに。まあ、なみぞうは一発で見つけたし、そのなみぞうには「親なんだから直ぐに見つけてあげようよ」と言われてしまったんだけどね。

タグ:Forza'02

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怪我 [Soccer]

レントゲンを見ると腰骨の尖った部分がりんごをかじったように欠けていた。剥離(はくり)骨折だそうだ。

3月8日の全都リーグの試合で痛めていたところを、昨日の練習でプレースキックをした際、バキッと音がしてやっちまったという。午前中にチームドクターに見てもらい、紹介状をもらって午後から慈恵医大病院のスポーツ外来へ。慈恵医大はおやじの会社から近いので、神谷町で落ち合っておやじが付き合った。

まともに歩くこともできないのに、「明後日は重要な試合があるのでなんとかならないか」という度胸に乾杯だよ。さすがにそれはドクターストップがかかった。しばらくは、痛みの出ない程度にハーフスクワットくらいで抑えておくこと、その後様子を見ながらトレーニングを考えて行きましょうとの診断だった。痛めているのは腰だけではない。他にも直りきっていない故障があるので、この際しっかり直しとこう。

8日の試合のあと、普段通っている整骨院の先生に、「とてもサッカーができる状態じゃない。続けるとハクるよ」と言われていたらしいが、自分は大丈夫とでも思っていたのだろうね。今度整骨院に行ったときに「やっぱりハクりました」と報告せんといかんね。

診察後、神谷町駅近くのなか卯で牛丼&小坦々うどんのセットを食べて別れた。


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サッカーの中高一貫指導 [Soccer]

近年、サッカーにおいても「中高一貫指導」という言葉をよく目にするようになった。これは、2006年の野洲高校の選手権優勝や、同年4月のJFAアカデミー福島開校で一貫指導に対する世間の関心が高まったためだろう。一貫指導について少し調べて見た。

背景

高校サッカー&Jユース強豪・有力チーム徹底ガイド」のコラム記事で、作者の安藤隆人氏は、次のように記している。
 近年ではJクラブユースの整備が急速に進み、ユース年代における存在感は急激に大きくなった。こうした現状に呼応するように、近年、高体連のチームでも新たな試みが始まっている。それが学校自体の中高一貫校化と、強豪校が軸となって立ち上げたジュニア、Jrユースのクラブチームの発足だ。この背景には、Jクラブや高校が中学年代の育成の重要性に着目し、よりよい人材を育成するために、中学年代の環境整備に力を入れ始めたことがある。
ユースの年代では、クラブチームより高校が優位であったが、99年の高円宮杯でクラブチームがベスト4を独占したのをきっかけに、クラブチームの実力が高校に並んだといわれるようになった。プロチームのブランド力を武器に、ジュニア世代の優秀な人材を集めて育成し、高校進学時に高校サッカーではなくクラブに残るという選択肢が力を持つようになったことに、高校が危機感を持ち対策に迫られたということだろうか。

目的

ネットを調べたところ、一貫指導の目的や動機付けに関し、次のような記事を見つけた。

中高一貫指導で南米のようなサッカーやりたい 井田勝通監督(静岡・静岡学園)
報知新聞 2002年12月28日
鹿実を越えるため 山平義幸監督(鹿児島・鹿児島育英館中)
毎日新聞 2009年1月11日

ジュニアユースチームでは、中3のクラブユースや高円宮杯で勝利することが目標となる。勝つことを第一目標とすると、組織やシステムの練習を優先せざるを得ない。高校に入ると組織やシステムが変るため、同じことを繰り返すことになる。これを一貫指導の6年間で考えると、無駄を省いて中学年代に技術を習得するための多くの時間を割けるようになる。と、おやじはこれらの記事を読んだ。

ジュニアユースの公式戦を見ていると、ロングボール主体であったり、ショートパスを多用してポゼッションを稼いだりと、戦術の違いはあるが、選手が個人技で勝負を仕掛けるシーンを見られるのは早くてハーフウエーラインを超えたあたり、多くはアタッキングサードに入ってからだ。高校が中学年代でやりたいのは、「安全にボールを運ぶようなジジくさいこと考えとらんと、若者やったらドーンと一人で行ったらんかい」ということだろうか。中学では技術さえ磨けばよいというのは極論で、もちろんそれだけではないのだろうが、もっと技術を磨くことに時間を割きたいというメッセージがあるように、いくつかのテキストを読んで感じた。

形態

高校サッカーの下部組織の形態としては、中高一貫校などで中学のサッカー部を強化するケースと、学校とは別にクラブチームを設けるケースがある。上述のガイドに記載されていた学校・チームを、ネットで調べたことと合わせて記載する。

中学サッカー部との連携

体育コースを有する中学などでは、サッカーの実技に合格することが入学の条件となっているケースがある。中学入学にはサッカーの能力は試されないが、合格後あるいは入試の前にサッカー部入部のためのセレクションを行う学校もある。
  • 入試にサッカー実技を含む学校
    • 完全一貫校
      • JFAアカデミー福島
        学校ではないが、ここに分類した。8月から11月にかけて4段階の選抜試験がある。
    • 併設型一貫校
      • 神村学園
        特能コース。実技試験は小6の秋に実施。
    • 連携型一貫校
      • 鹿児島育英館中学
        03年にサッカー専門体育コースを設けた。募集人員は20名。セレクションは小6の秋。鹿児島城西高校と連携しており、15名くらいが城西サッカー部に進む。
  • サッカーが中学入試と無関係な学校
    • 完全一貫校
      • 暁星
        幼稚園から高校までの一貫教育。中高は完全一貫なので高校募集はない。中学サッカー部への入部にセレクションはない。
    • 併設型一貫校
      • 桐蔭学園
        併設型の桐蔭学園高校・中学のほか、完全一貫の中等教育学校もある。入学後に中学のサッカー部のセレクションがあり、中等教育学校の生徒も受けることができる。中等教育学校の生徒が高校サッカー部に進む場合は、桐蔭学園高校に転入する。
      • 静岡学園
        03年から一貫指導を開始した。中学サッカー部のセレクションが、小6の秋にある。
      • 常葉学園橘
        中学サッカー部のセレクションは小6の秋。
  • 不明(調べたが分からなかった)
    • 併設型一貫校
      青森山田、星陵高校、筑陽学園、ルーテル学院、日章学園、宮崎日大
    • 連携型一貫校
      帝京大可児
JFAアカデミーや神村学園、鹿児島育英館のようにサッカーで入学する生徒を選抜するのは、12歳という年齢を考えると、受ける方も受け入れる方もそれなりの覚悟が必要だと感じる。前出の毎日新聞の記事にある、鹿実サッカー部の松沢隆司総監督の次の言葉にその難しさがうかがえる。
中学でうまくても、そのまま伸びるかは分からない。7~8割は結果が出ない子。教育者として、サッカー以外の道でも生きる力をつけてやれるかが大切
(注)「中学でうまくても」は「中学入学時点でうまくても」の意であろう。

クラブチームとの連携

併設する中学や連携する中学がない高校では、クラブチームを立ち上げて一貫指導に取り組むケースがある。こうしたクラブチームを設立年順に並べて見た。

高校名 中学 下部クラブ 設立
武南 なし 武南Jrユース 1993
野洲 なし(県立) YASU Club 1998
帝京長岡 なし 長岡JYFC 2001
成立学園 なし 成立ゼブラ 2002
鹿児島実業   ディアマント鹿児島 2003
藤枝東 なし(県立) 藤枝東FC 2004
広島皆実 なし(県立) A.C. MINAMI 2004
帝京 併設型 帝京FC 2006
東海大五 なし グローバルFC 2007

成果

一貫指導の成果は定性的な面、すなわち質の向上が重要なのだろうが、それをネットで知ることは難しい。定量的な側面で考えて見ると、中学あるいはクラブの選手のうち、どのくらいが上位の高校のサッカー部に入れるのか、高校サッカー部員全体に対する下部の組織の選手の割合、高校の一軍メンバーに対する下部組織の選手の割合、といったところがものさしになるだろうか。

このうち、高校の一軍メンバーに対する下部組織の選手の割合を今年度の高校サッカー選手権のメンバー表からピックアップした。分母はベンチ入りメンバー数(25名)になる。結果は次の通りだ。

高校名 下部組織 所属 メンバー 内部昇
格者数
内部昇
格者率
青森山田高校 青森山田中学 中体連 25 7 28%
星陵高校 星陵中学 中体連 25 1 4%
藤枝東高校 藤枝東FC クラブユース連盟 25 8 32%
野洲高校 YASU club
セゾンFC
クラブユース連盟 25 16 64%
高知高校 高知中学 中体連 25 13 52%
筑陽学園高校 筑陽学園中学 中体連 25 2 8%
日章学園高校 日章学園中学 中体連 25 13 52%
鹿児島城西高校 鹿児島育英館中学 中体連 25 12 48%

関東のJリーグ下部(J1)についても調べてみた。分母は全メンバーで、大宮のみ2009年度でそれ以外は2008年度の数字だ。ジェフ千葉については、公式HPで公開していないためリストしていないが、広報のインタビューでは15%くらいを外部から取るとなっていた。

チーム メンバー 内部昇
格者数
内部昇
格者率
鹿島アントラーズ 45 21 47%
浦和レッズ 38 26 68%
大宮アルディージャ 39 26 67%
柏レイソル 36 35 97%
FC東京 40 29 73%
東京ヴェルディ1969 40 27 68%
横浜F・マリノス 39 29 74%
川崎フロンターレ 38 34 89%

Jリーグ下部組織の場合、柏と川崎の2チームはほぼ内部昇格者だけでチームを作っているが、それ以外は概ね3割前後を外部に求めている。J下部に比べれば高校の数字は低いが、それでも思ったよりも多いというのがおやじの感想だ。

雑感

サッカーの指導という点ではおやじには分からないことが多い。勉強に置き換えると、日能研やサピックスに行って解法の学習をするヒマがあったら、そろばん塾や公文でひたすら計算力をアップしとけ、といったところだろうか。こうした基礎力の徹底強化は、上位の学校に進んでから、更に社会に出てからも強力な武器になる。サッカーでも同じことが言えるということだろうか。ただし、それもその武器を活かすだけの応用力、すなわち考える力があってのことなんだけどね。

サッカーでは、戦術を与えることは、子どもたちの自由な発想を奪うのでよくないという意見を目にする。勉強で言えば、解法を与えるな、気付かせろと言うのと同じだろう。学校の授業では「気付き」が中心で、学習塾の場合は、「気付き」を待っていたのでは受験に間に合わないので、どんどん解法を与える。だから塾は学校教育の妨げであり、「悪」だということになる。しかし解法を与えたところで、そこから先には新たな疑問や謎が広がっているのである。そもそも自然科学においては分かっていることより、分かっていないことの方が圧倒的に多いのだ。教えようが教えまいが、考えるものは考えるし、考えないものは考えない。そしていくら教えようが、考えるネタが尽きることはないのだ。サッカーも同じじゃないのかな。戦術で縛り過ぎると、選択肢が減るし考えたことを試せないという弊害はあるかもしれないが。


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